どうもカウンセラーの今野です^^
 
私は一貫して「精神的に自立をする事」の意味をお伝えしていますが、皆さんからのご相談を読んでいると、とにかく子供が心配で「先回り」をしてしまう親御さんが大変多いようです。

ちょっと厳しい事をお伝えすると、だからこそ今の現実が起こっている訳なんです。
 
心の土台を育くみ、自我(自分)というものを確立していくには、子供自身が自分で考え、自分なりの答えを出すプロセスが必要となります。
  
そのプロセスの中には、時には悩み苦しみ、時には失敗したり落ち込んだりする訳ですがそういった事を通して成長し、大人になっていく訳です。
   
「自分の人生の責任を、すべて自分で引き受ける」という事実を受け入れることで「自分の生き方を確立させていく」わけです。
 

(余談ですが、ビジネスで成功するにもこのマインドセットは必須です。一番のビジネスや起業がうまくいかない理由は、その人のあり方に「依存心がある」という事です。

「自分の人生の責任を、すべて自分で引き受ける」
「自分の生き方を選択をする」
 
というマインドになれると、成功はグッと近づきます。

この件ついては、こちらをご覧ください。不登校引きこもりの解決でもビジネスの成功法でも本質は一緒だという事ですね。)

 
親が「先回りをする」という事は、結果、「自分で考える」「悩み苦しむ」「自分なりの答えを出す」というそんな「子供が大人になるプロセス」を結果的に奪う事となります。
  
 
子供が悩んでいる事を見守れず苦しんでいる所を見ては心配してしまう気持ちはわかるのですが、心配してしまうのは親自身の問題でもある訳です。

そして、悩み苦しむのは子供自身の問題です。
    
 
それなのに、不登校や引きこもりの状態となってしまう親御さんの多くに共通する傾向性として、子供の問題と自分の問題のバウンダリー(境界線)を考えず、先回りして子供が悩む自由すらも奪ってしまっているケースが大変多いです。
  
ですから今回は、子供が悩む事を、苦しむ事を、失敗する事を奪わないように、先回りをせず暖かく見守れるようになる為のメッセージをお送りします。

子供が自我を確立するプロセス(過去のTwitterから)


こちらは数年前に、新宿のスターバックスにて、自分と向き合う中で出てきた言葉をツイートした内容です。 

子供が自我を確立させるプロセスをも見守れるようになるには?

では、親御さんがその「プロセス」をも見守れるようになるにはどうすればいいのか?
 
それは、
 
精 神 的 に 自 立 を す る 事 

です。
 
 
これに尽きます。
 
それだけで、自然と悩んだり苦しんだりするお子さんに先回りはしなくなりますので、ぜひ自立を心がけてくださいね♪
  
  
この自立についてはこれらの記事をご覧ください。
 

【相談に答えました】子供の規範、昼夜逆転にどう対応したらいいですか?

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【回想記】不登校・ひきこもりだった当時の自分と親に、カウンセラーになった今なら何と言うかな?

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「自立したい」「自立をしたくない」という両極の気持ちを統合する

 
振り返っていかに精神的な自立について書いているか自分でもびっくりしました(笑)が、ここまで再三書いているほど、お子さんの不登校引きこもりの解決法には大切なポイントとなります。
 
しかし多くの親御さんの中には、この自立をお伝えして学ばれてもなお、

(子供の為に)自立したいのに、(自分の依存心の為に)自立したくない
 
というアンビバレントが発動してしまう場合も多いようです。
 
※ アンビバレントとは同じ物事に対して、相反する感情を同時に抱くことです。
 
  
そんな気持ちの中には対極的な要素が「自立したい」「自立したくない」というその間(はざま)をうみ、身動きが取れなくなったりしているケースが、私のカウンセラーとして多くの方を拝見してきた経験では大変多かったです。
 
人は誰もアンビバレントが発動する事があります。
 
 
例えば、
 
「変わりたい自分もいる」けど「変わりたくない自分もいる」
  
「チャンス賭けたいけど、リスクを冒したくない」
    
といったような対極な感情を持った事は誰でもあるかと思います。

「夢を追う事」と「地に足をつける事」

「理想を求める事」と「現実を認める事」
 
「流れまかせる事」と「具体的なプランを立てる事」
 
「前向き肯定的に考える事」と「問題・改善点に焦点を当てる事」
 
「自己肯定する事」と「自己否定する事」 
 
これらも対極と言えるかと思いますが、大切なポイントはそんな時でも白黒をハッキリつけすぎない(片方の極偏ってしまいすぎない)という事です。
  
「自己受容をされてください」

とお伝えすると、

「それで子供が変わるんですか?」

といったようにおっしゃる方がいるのですが、これなんかが典型的な白黒の偏ってしまっている思考となります。
(そもそも自己受容とは良い悪いの判断をせず受け入れる事なので、子供が変わる為にするという思考自体が違っているんです)

こういった思考ではアンバランスなものとなってしまい、何事もうまく生きづらいですし何よりその思考をしている本人自身が一番苦しくなってしまいます。
 
ですから思考が偏っている事に気がついて両極を自分の中で統合出来ると、その感情はケースバイケースに合わせてもっと融通の利くバランスの取れたものとなります^^
 
  
例えば「夢を追う事」と「地に足をつける事」 ならば、
 
「大きな理想を掲げながらも、現実では、リスクとリターンも念頭に置きつつ着実にコツコツ積み上げていく」

「適度大きな夢を持ちながらも、適度現実的な目標も持つ」
 
といったような事です。

「自己受容する事」と「自己否定する事」ならば、
 
いきなり完璧に自己受容ができている状態を目指すのではなく、まずはただ良い悪いをジャッジせずただ自己受容を実践して心にエネルギーをチャージし、回復してきてから次のステップとして、自己否定している点にも少しづつ向き合い改善していく、
 
といった具合です。
 

このように心の中の両極統合していくプロセスが成長なのだと私は感じています。
 
そして、このようにアンビバレントな感情を統合していく事を心理学者カール・ユスタス・ユングは、「全体性の実現」(ユング心理学が定義する自己実現)と呼びました。
   
 
人は両極(プラスと認識しているものとマイナスを認識しているもの)を統合していく事で全体性体現し自己受容が実現している人格へと成熟していくのだと思います。
 
 
ですから、
  
「心配で、立っても居られない」
「この子は私がいないと何もできない」
「あぁ、なんとかしてあげたい」
  
と思ってしまうような「子供に依存している状態」から、いきなり「精神的に自立をする事」へ移行する時には、いきなり移行しようとせずに、
 
(子供の為に)自立したいのに、
(自分の依存心の為に)自立したくない

と思ってるんだ。
 

そう認識し、
 
「そうなんだね」「そう思っちゃうよね」「これまで心配して頑張ってきたね」
 
と自分に優しい声をかけてあげてください^^
 
このようなアロワー(自分への優しい癒しの言葉)をかけ、自己受容をしていくと、徐々に自立は出来るようになっていきます。
 
 
またこちらは余談で合う合わないもありましたので皆に推奨できる事ではないのですが、基本的に不登校引きこもりの親御さんは、お話しした通り、子供に依存し先回りをしまくってしまう傾向にあります。

だからこそ、 
  
「精神的に自立する」
  
「子供の問題を自分の問題にしない!」
  
と覚悟をする事で、ちょうど中間の「全体性の実現」へ近ずくケースもたくさんありました。
 
ですからもし、アロワーと受容を実践してもなかなか自立できないと感じる時には、この「覚悟」をする事をお勧めします。

まとめ

 
という訳で、今回は

『子供の自我の確立(大人への階段)』
 

 
『精神的な自立をする事の重要性』
 

 
『自立する事の矛盾の解決法』

についてお話ししました。
  
  
お話しした事は、不登校引きこもり解決への最重要事項であり、理解できれば解決しない事はない、というほどのお話しとなりますので、この記事を何回も読み、理解し腑に落ちるまで実践なさってください。
 
今後とも宜しくお願いいたします。

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今野 陽悦

今野 陽悦

【不登校引きこもりを専門とした心理カウンセラー 】 経験者のカウンセラーとして、数多の不登校引きこもりに関する心理カウンセリングを行う。このページではその体験をもとに解決法を綴っている。現在はカウンセラーの他に、複数の事業のオーナーとして活動中。