どうも、カウンセラーの今野です😊
前回の記事では、「改めて、不登校という現象とは?」というテーマで、文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」でも示されている「全国で35万人超え(過去最多)」という現実を入り口に、
人は「事実」ではなく「意味」に反応している
というお話をさせていただきました。
まだお読みでない方は、ぜひ先にそちらからご覧ください。
▼前回記事はこちら
改めて、不登校という現象とは?〜日本史上過去最多 35万人超えの現実〜
前回の最後に、こう書かせていただきました。
「では、どうすればいいの?」
今回は、その続きをお伝えします。
まず結論からお伝えすると、不登校には「これさえやれば解決する」というような、たった一つの特効薬はありません。
ただし、20年以上、万単位のご相談を伺ってきた中で、不登校になる背景には、いくつかの共通したパターンがあることも、また事実です。
今日は、その原因の捉え方と、そこから見えてくる具体的な関わり方についてお伝えしていきます。
不登校の「原因」は、1つではない
よくご相談で、
「うちの子が不登校になった原因は何だったのでしょうか?」
と聞かれることがあります。
お気持ちはとてもよく分かります。原因が分かれば、対処法も見えてくる気がしますよね。
ただ、私の経験上、学校へ行けなくなった/行かなくなった、といいう現象の背景には、様々な要因があります。
例えば下記のようなものです。
- 学校での人間関係(友人関係・先生との関係)
- 元々学校に馴染めず、我慢の限界が来た
- 勉強のつまずきやプレッシャー
- 家庭内の関係性(親子関係・夫婦関係)
- 本人の気質や、繊細さ・完璧主義的な傾向
- 勉強や学校生活を嫌々していてその限界が訪れた
- オンラインゲームなどにハマって学校へ行く時間が無くなった
- 明確な「これ」とは言えない、複合的な要因
これらはあくまで1例ですが、1つ2つと断定できるものでは無く複数の要因が絡み合っているケースが少なくありません。
一つの出来事(きっかけ)はあっても、それは「最後の一滴」であることが多く、その前に、コップの中に少しずつ水が溜まっていたようなイメージなんです。
実際、私の著書『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』の中でも触れていますが、不登校の背景を「たった一つの原因」として説明できるケースは、これまで対応してきた万単位の相談の中でも、むしろ少数派です。
そして、お子さん自身も原因がはっきりしていなかったり理解できていない場合も多いです。
親や先生から高圧的に聞かれたり追い詰められてその場しのぎで思いついた事をいったり、大人から誘導されて出た理由として話したケースも沢山知っています。
またイジメや起こった出来事など明確な理由があったとしても、お子さんが話さない/話せない場合も多いです。
こういった理由から私は、「原因探し」そのものに時間をかけすぎることを、あまりお勧めしていません。
なぜなら、原因を特定し、それを取り除こうとすればするほど、「誰が悪いのか」「何が悪かったのか」という犯人探しや、対話を排除してしまうような形になってしまいやすいからです・・・😵
そして、このような考え方の根底には「悪いものを取り除けば子供は学校へ行く」という思考の大前提があります。
無意識にそう思ってしまうのは無理もありませんし、子どものことを愛しているからこそでもあるのでお気持ちは重々分かりますが、
「学校が悪い」
「友達が悪い」
「自分の育て方が悪かった」
「この子の特性(発達障害など)が原因」
そうやって理由を一つに絞り込もうとすると、多くの場合、行き着く先は、悪者探しや悪いと定義した根源を排除する思考となり結果的に「自分を責める」か「誰かを責める」かのどちらかになってしまいがちです。
「原因」より大切な、もう一つの視点
もちろん、原因を理解しようとする姿勢そのものは、とても大切ですし、その気持ちがあるのは現状をより良い方向へ進めたいというお気持ちがあるからです。
ですから決して「悪いもの」ではないと私は思っています。
ただ、そこに加えて、私がカウンセリングをさせて頂く際などにお伝えしているのが、
「今、何が起きているのか?」
という視点です。
不登校になったお子さんの中では、多くの場合、
・心と身体がこれ以上頑張れないというサインを出している(エネルギー切れ)
・「学校へ行かなければならない」という「べき・ねば」に縛られ、身動きが取れなくなっている
・頭では分かっていても、身体(脳の扁桃体)が「危険」だと反応し、行けなくなっている
これはわがままではなくて、強いストレスを感じた際に脳の扁桃体が過剰に反応し、身体が防衛体制に入ってしまう生理的な現象です。(※ストレスと脳の仕組みについては、厚生労働省 e-ヘルスネット「心身症」の解説なども参考になります)
・オンラインゲーム中毒などで、部屋にひきこもって学校へは行かない
といった状態が起きています。
これは、本人の「甘え」や「怠け」ではなく、心と身体を守るための、自然な防衛反応である場合も、親御さんが責任を問わずその状況をただ許してしまっていたり、きちんと向き合って話し合いをしない為に長引いているケースもあります。
実際にあったご相談で、こんなケースがありました。
中学2年生の男の子が、ある日を境に急に学校へ行けなくなり、ご両親は「原因は何だったのか」を必死に探していました。担任の先生に聞いても、本人に聞いても、はっきりとした理由は出てきません。
そこで私は、原因探しをいったん脇に置いて、「今、この子の中で何が起きているのか」に焦点を当てるよう、お願いをしました。
すると、話を伺っていく中で見えてきたのは、「息子さんが毎晩遅くまで一人でオンラインゲームをして昼夜逆転していること」「食事の時間もバラバラで、心も身体もまったく休まっていないこと」でした。
ご両親が「なぜ学校に行けなくなったのか」を探すことから、「今、この子はきちんと休めているだろうか」「なぜ昼夜逆転生活をすることになったのか」という視点に切り替えて、同時に責任を問う関わり方へ変えていったところ、少しずつ生活リズムが整い始め、半年ほど経った頃には、お子さんの方から「そろそろ学校のことも考えてみようかな」と話してくれるようになりました。
オンラインゲームが絡むケースは、実際にとても多いご相談の一つです。過去に頂いたご相談の実例は、こちらの記事「オンラインゲームと引きこもりの関係 〜息子の不登校引きこもりと親の精神的自立について〜」でも詳しくご紹介していますので、状況が近いと感じられる方は、あわせて読んでみてください。
このように、原因を過去に探しにいくよりも、「今、この子の心と身体で何が起きているのか」そして「今、親として子供へどんな関わり方をしているのか?」を客観的に理解しようと心がける事の方が、(何を持って解決とするのか?という解決の定義にもよりますが)目に見える形でお子さんの現実が動き出す、といった意味合いでの解決へつながる場合が多い傾向にあります。
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
ここからは、私がこれまでの相談の中で、実際に効果を感じてきた関わり方を、いくつかお伝えします。
① まずは、親御さん自身が「不安」と向き合い、自己受容をする
私が最初に最もお伝えしたいことです。
お子さんの不登校に対する親御さんの不安が強ければ強いほど、その不安は、雰囲気や表情、言葉の端々を通して、お子さんに伝わってしまいます。
「あなたのため」と思ってかけた言葉が、実は「私の不安を消すための言葉」になっていないか?
これは、お伝えするのが少し勇気がいる部分ですが、とても大切なことなので、一度、立ち止まって振り返ってみることを、私はいつもお勧めしています。
そして、この不安と向き合う上で欠かせないのが「自己受容」です。
「私の育て方が悪かったのではないか」「なぜうちの子だけ」と、ご自身を責め続けてしまうと、心にエネルギーが残らなくなり、不安で不安で仕方がなくなってしまいます。
エネルギーがない状態では、お子さんに対して穏やかに関わることも、じっくり見守ることも難しくなります。
まずはご自身を責めず、「今の自分」を受け入れる自己受容が、すべての土台になります。
自己受容については、こちらの記事群も参考にしてみてください。
- 不登校や引きこもりは親が悪い。と思う親御さんは、こちらの音声をお聞きください。(自己受容)
- 母が語る、カウンセラー今野が不登校・引きこもりから解決された関わり方
- 自己受容と他者受容が正比例する理由とは?
② 自分が無意識に設定をしている「解決の定義」に気がつく
前回もお伝えした通り、私は「学校へ行くこと」だけをゴールにはしていません。
それ以上に大切なのことは、親御さんが「自分は、何を解決だと思っているのか?」ということにまず気がつくことだと思っています。
私の元へ届く相談を見ていると、「これから解決へ向かうだろうな」と感じるものと、「今のままでは解決が起こらないだろうな」と感じるものがあります。
その違いは各々あるのですがその要素の一つとして大きいものは、ご自身の「解決の定義」が自覚できているかどうかです。
無自覚のまま、
「学校へ毎日行けるようになること」
「以前のように、明るく元気に過ごせるようになること」
こうした「自分が思う解決」を前提にしてしまうと、それは「子供が自分の願った通りになること」を望む、いわば操作主義になってしまいます。
実は、国(文部科学省)の方針としても、平成28年に施行された「教育機会確保法」や文部科学省の不登校支援方針の通知において、『不登校児童生徒への支援は、単に「学校に登校する」という結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自立して社会に向かっていくことを目指す』と明確に定義されています。
つまり、「学校に戻ること」だけが唯一の正解ではないということは、現代日本の公的機関の指針でも認められていることなのです。
子供が願った通り、思った通りにならない場合がほとんどなのに、「そうならない限り解決ではない」と思っていると、いつまでも苦しさが続いてしまいますし、お子さんにとっても苦しい関わりになってしまいます。
ですから、「学校へ行かせること一択」をゴールにする前に、一度、
「自分は、何をもって解決だと思っているのか?」
と、ご自身に問いかけてみてください。
その定義に気がつき、少しずつ手放していく過程で、日々の関わり方も、驚くほど変わってきます。
「解決の定義」について、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
③ 一人で抱え込み過ぎない
私のところに相談にいらっしゃる方の多くも、「一人で抱え込めなくなったから」という理由でお越しになります。
カウンセラーへ相談することはもちろん有効ですが、それだけが正解ではありません。
心を許せるお友達や、ご身内に話を聞いてもらうだけでも、心にふっと余裕が生まれることがあります。
「誰かに話す」というのは、それだけで気持ちを整理する大きな助けになります。
一人で抱え込まず、頼れる人には、遠慮せず頼ってみてください。
④ 意識して小さな変化を、見つけて認める
「学校へ行けるようになったか」だけを基準にしていると、日々の小さな変化に気づけなくなります。
- 少し表情が柔らかくなった
- 家族との会話が増えた
- 自分から何かを話してくれた
こうした小さな変化を見つけて認めていくことが、お子さんの中の「安心」を、少しずつ育てていきます😊
⑤ 心にエネルギーがない場合は、まず「休むこと」を心から許可する
最後にお伝えしたいのが、エネルギーの状態についてです。
オンラインゲーム中毒のようにダラダラとした状態になってしまっている場合と、そもそも疲れ切ってしまっている場合とでは、関わり方が変わってきます。
私がこれまでご相談を伺ってきた中では、心身ともに疲れ切っているお子さんには、まず「休むこと」を許可してあげることが、回復の出発点になるケースをたくさん見てきました。
ですから、もしお子さんが心身ともに疲れている状態であれば、まずは「休むこと」を許可することが必須だと、私は感じています。
「休んでいいよ」という言葉だけでなく、親御さん自身が本当にそう思えているかどうかを、お子さんは感じ取っています。
言葉と心が一致した「休んでいい」を伝えられるかどうかが、最初の大きな分かれ道です。
無理に学校へ押し出そうとすると、多くの場合、状態は悪化してしまいます。
そして、しっかり休んでエネルギーが戻ってきた段階で、少しずつ、お子さん自身に「責任」を持ってもらう関わりも大切になってきます。
責任の取らせ方については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
今回は、不登校の「原因」の捉え方と、具体的な関わり方についてお伝えしました。
これらは20年以上、多くの親御さんとお子さんに関わらせていただく中で、状態が改善解決したご家庭には、いくつかの共通点があったことは事実ですので、その視点より執筆しましたがいかがでしょうか?
もちろん具体的に掘り下げていくと、今日お伝えした内容がそのまま全てのご家庭に当てはまるわけではありませんが、本質的で有効だったことをお話ししました。
是非、現在の状況や気持ちと照らし合わせてみてくださいね♪
それでは今回は解決法の本質をお伝えしました。
次回は不登校の状態のお子さんとの具体的な関わり方についてお伝えしますので、楽しみにお待ちください😊
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今野 陽悦
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