どうも、カウンセラーの今野です😊

前回の記事「不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜」の続きをとなります。

今回のテーマは、

「では、実際にお子さんとどう関わればいいのか」

という、より具体的な部分です。 まだ前回・前々回をお読みでない方は、先にこちらからどうぞ♪

▼前々回記事はこちら 改めて、不登校という現象とは?〜日本史上過去最多 35万人超えの現実〜

▼前回記事はこちら 不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜

前回は最後に、「原因探し」よりも「今、何が起きているか」に目を向けることが大切、というお話をしました。

今日は、その視点をふまえた上で、日々の生活の中で具体的にどう関わればいいのかを、できるだけ実践的にお伝えしていきます。

「関わり方」の前に知っておいてほしい、一つのこと

家庭だけで抱えない支援の輪
親御さんだけで背負わず、本人に合う支えを組み合わせます。

具体的な声かけやテクニックの話に入る前に、明確にしておきたいことがあります。

それは、これからお伝えする関わり方は、「テクニック」そのものよりも、それを使う親御さん自身の「状態」が先にある、ということです。

土台というのは、前回お伝えした「自己受容」が深まっているかどうか?です。

なぜ、テクニックより先に「状態」なのでしょうか?

それは、子どもは、言葉そのものより、言葉の奥にある「親の状態」を、驚くほど敏感に感じ取っているからなんです。

たとえば、「休んでいいよ」という、同じ一言があったとします。

親御さんが本心から「休んでいい」と思えていて発する「休んでいいよ」と、内心では「早く学校に行ってほしい」という不安を抱えたまま発する「休んでいいよ」とでは、言葉としてはまったく同じでも、子どもに届くものは、まるで違います。

子どもは、言葉の意味だけでなく、声のトーン、間、視線、ちょっとした表情の硬さといった、言葉にならない部分から、親御さんの「本当の状態」を無意識に読み取っているからです。

これは、実際のカウンセリングの中でも、繰り返し実感してきたことです。

以前、あるお母さんから、

「正しい声かけを本やネットでたくさん調べて、その通りに話しかけているのに、なぜかお子さんとの関係がぎくしゃくしてしまう」

というご相談を受けたことがありました。

言葉自体は、本当に丁寧で、優しいものでした。

ただ、お話を伺っていくと、そのお母さん自身が、「これで合っているんだろうか」「早く元に戻ってほしい」という不安に、常に飲み込まれている状態だったんです。

その不安が、正しいはずの言葉の奥から、お子さんにじわじわと伝わってしまっていたのだと思います。

その後、お母さんご自身が、ご自分を責めることをやめ、少しずつ自己受容を深めていかれたところ、面白いことに、それまでとまったく同じような言葉であっても、お子さんの反応が、目に見えて変わっていきました。

言葉が変わったのではなく、言葉の奥にある「親御さんの状態」が変わったということです。

ですから、これからお伝えする①〜⑥の関わり方は、「テクニック」というよりも、「親御さん自身が落ち着いた状態で使えたときに、初めて本当の意味を持つもの」だと思って読み進めてもらえたらと思います😊

①「見守る」は「放置」では無い

「見守る」と「放置」は、関わりの質が違う
見守るとは、本人を尊重しながら安全と対話の接点を保つことです。

よく「見守りましょう」と言われたりしますが

「それでは、何もしなくていいんですね」

と解釈される方がいらっしゃいます。

今回お伝えする「見守る」というのは、「何もしない」ことではなく、「関わり方の質を変える」ことです。

具体的には、

・学校や将来のことを、根掘り葉掘り聞き出さない ・でも、日常の会話や食事、生活そのものからは離れない ・変化に気づいたら(反応する・しないに関係なく)、さりげなく声をかける

という状態です。

過干渉と放置の間には、実はかなり広い「見守り」というゾーンがあります。 この感覚がつかみにくいという方は、以前書いた記事も参考にしてみてください。

②否定しない声かけ、追い詰めない声かけとは?

これも、実際のご相談でよくお聞きする悩みです。

「何を話しかけても、地雷を踏んでしまう気がします」

とおっしゃる親御さんは、本当に多いです。

私がいつもお伝えしているのは、声かけの内容そのものより先に、「今、この子は何を望んでいるか」を想像してみる、ということです。

たとえば、子どもが「別に…」としか答えない時、

「ちゃんと話してよ」

と返してしまうと、これは「あなたの答え方はダメだ」というメッセージになってしまいます。

そうではなく、

「そっか。今は話したくない気分なんだね」

と、答え方そのものを受け止める。

これだけで、子どもの中の「否定された感」は、かなり変わってきます。

声かけの具体的なケースについては、拙著の中でも24のケース別に詳しくまとめています。よろしければあわせてご覧ください。

📖 『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』(今野陽悦・著/WAVE出版)

③生活リズム・オンラインゲームとの関わり方

前回の記事でも少し触れましたが、昼夜逆転・オンラインゲームのご相談は、本当に多いテーマです。

ここで大事なのは、「ゲームをやめさせること」を最初のゴールにしないことです。

多くの場合、ゲームは「現実の苦しさから、一時的に距離を取るための避難場所」になっています。

そこをいきなり取り上げてしまうと、逃げ場を失って、かえって状態が悪化することも少なくありません。

まずは、

・睡眠時間そのものより、「毎日ほぼ同じ時間に寝て、同じ時間に起きているか」

・食事を、家族と少しでも一緒にとれているか

といった、生活の「輪郭」を整えることから始めることをお勧めしています。

昼夜逆転への具体的な関わり方については、こちらのご相談回答記事も参考になると思います。

④「学校の話」は、いつ、どう切り出すと良いのか?

これも本当によく聞かれるご質問です。

「学校の話は、一切してはいけないんですか?」

いいえ、そうではありません。「一切話さない」も、ある意味では不自然です。

ポイントは、話して良い・悪いという基準を一旦手放すこと、「頻度」と「主導権」を意識することです。

親から毎日のように学校の話を切り出すのか?ではなく、

・もし学校の話をするとしても、頻度は決めておく ・子どもの方から話し始めた時は、それを最優先で聞く ・話す時も、「どうするの?」ではなく「今、どう感じてる?」と、決断ではなく気持ちを聞く

この順番を意識するだけで、子どもにとって「学校の話=追い詰められる話」という条件づけが、少しずつ緩んでいきます。

なお、文部科学省が公表している「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」でも、支援の目標は「学校に登校する」という結果そのものではなく、学びにアクセスできる状態を保障することに置かれています。

つまり、「今すぐ学校に戻るかどうか」を親子で急いで結論づける必要はない、ということが、国の方針としても示されています。

⑤父親と母親で温度差がある場合には?

これも本当に多いご相談です。

母親は「休ませてあげたい」、父親は「甘やかしすぎでは」というふうに、夫婦で意見が割れてしまうケースです。

ここで大切なのは、「どちらが正しいか」を決めようとしないことです。

温度差があること自体は、悪いことではありません。 むしろ自然なことです。問題になるのは、それぞれが自分の意見を、子どもの前で主張し合ってしまうことです。

まずは夫婦だけの場で、「なぜ自分はそう感じるのか」を、お互いに一度、責めずに聞き合ってみてください。 多くの場合、その奥には、それぞれの育った環境や、それぞれの不安が隠れています。

夫婦間の認識のズレについては、こちらの音声セミナーでも扱っています。

⑥家庭の外の力を借りることも視野に入れてみる

最後に、家庭の中だけで抱え込まないための選択肢についても触れておきますね♪

各自治体が設置している教育支援センター(適応指導教室)

学籍のある学校とは別の場所に、市区町村の教育委員会が用意している公的な施設です。
集団生活への適応や、基礎学力の補充、生活リズムを整えることなどを目的にしていて、心理の専門職が在籍しているところも少なくありません。
「学校でも家でもない、第三の居場所」として、まず気軽に問い合わせてみるだけでも構いません。
お住まいの自治体の教育委員会のホームページから確認できます。・教育支援センター(適応指導教室)の取り組みについて:文部科学省

民間のフリースクール

学校復帰だけを前提にしない、子ども中心の理念で運営されている民間の学校です。
学び方も雰囲気も団体ごとに個性があるので、「合う・合わない」を一つの基準に選んでいい場所だと私は思っています。
全国のフリースクールをつなぐネットワーク団体もありますので、近くにどんな場所があるか調べる際の入り口として活用してみてください。・フリースクール全国ネットワーク


スクールカウンセラーや、地域の相談機関

学校に在籍したまま利用できる、相談窓口です。 文部科学省の事業として、多くの学校にスクールカウンセラーが配置されています。
「担任の先生には話しにくいことも、第三者になら話せる」というケースは、実際のご相談でもよくあります。
学校を通さずに直接申し込める地域の相談機関も、あわせて選択肢に入れてみてください。・スクールカウンセラー等活用事業:文部科学省


学びの多様化学校(旧・不登校特例校)

不登校の子どもの実態に合わせて、教育課程そのものを柔軟に編成している公立・私立の学校です。
授業時間数や進度が調整されているため、「学校に戻る」選択肢の一つとして、無理のない形で検討できるかと思います。・学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について:文部科学省


親の会(同じ立場の保護者同士のつながり)

カウンセラーや専門家とは別に、「同じ経験をした親同士」で話せる場所も、時として大きな支えになります。
全国各地に、地域の親の会をつなぐネットワークが存在しています。
もし参加される場合にもフリースクール同様、雰囲気も団体ごとに個性があるので「合う・合わない」を基準に選んで宜しいかと思います。・登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク


24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)

お子さん自身が、親にも先生にも話せない気持ちを抱えている時、無料で24時間相談できる全国共通の窓口です。 「
誰かに、匿名で話すだけでいい」という段階でも使えます。・「24時間子供SOSダイヤル」について:文部科学省(0120-0-78310)


児童相談所への相談

虐待やネグレクトといったケースのみのイメージがあるかもしれませんが、実は子育てや親子関係についての一般的な相談も受け付けています。 一人で抱え込みそうになった時の、専門機関の窓口の一つとして知っておいてください。・児童相談所相談専用ダイヤル|こども家庭庁(0120-189-783)

まとめ

今回は、不登校のお子さんとの、より具体的な関わり方についてお伝えしました。

  • テクニックより先に、親御さん自身の「状態」が届く。
  • 見守るとは、関わりをやめることではない。
  • 声かけは、内容より先に「相手の今の気持ち」を想像する。
  • 生活リズムは、まず輪郭から整える。
  • 学校の話は、頻度と主導権を意識する。
  • 夫婦の温度差は、責めずに聞き合うところから。
  • 家庭の外の力も、遠慮なく借りていい。

これらは、長年ご相談を伺う中で、実際に状況が動き出したご家庭に共通していた関わり方となります。

私自身も、10代の頃に不登校・引きこもりを経験しました。

当時、周りの大人たちの関わり方一つで、自分の心がどれだけ変わったかを、今でもよく覚えています。

その頃の実体験については、こちらの記事にも綴っていますので参考になさってみてください。

それでは今回もご覧くださりありがとうございます😊

次回は、不登校が本格的に始まる前の「登校しぶり」・「行き渋り」の段階での対応法と、「見守る」のさらに先である、お子さんが少しずつ動き出す時に、親としてどう背中を押せばいいのか、そのタイミングの見極め方についてお伝えする予定です。

「登校しぶり」・「行き渋り」と、「お子さんが動き出す時に、どう背中を押せばいいのか?」

一見すると、これは不登校の「初期」と「後期」という、まったく別の時期の話です。

では、なぜ私はこの二つを、あえて次回一緒にお伝えしようとしているのでしょうか?

このことも少し考えつつ、次回をお待ちください。

ーーーーーーーーー

お子さんの不登校や引きこもり解決へ向けての詳しい内容はメールマガジンでお伝えしています。
無料の動画講座ですので、↓の画像からぜひご登録ください

相談やカウンセリングをご希望の場合にはこちらをご覧ください。

 

The following two tabs change content below.
アバター画像

今野 陽悦

【今野陽悦:不登校・ひきこもり専門カウンセラー】 自身の不登校・ひきこもり経験をもとに、20年以上にわたり本人・保護者からの相談に対応。これまでの相談実績は累計2万件以上。 著書に『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』などがあり、講演・メディア出演・学校関係者への支援も行っている。