どうも、カウンセラーの今野です😊

これまで不登校全般についてお伝えしてきましたが今回は「小学生」に絞って、その傾向と関わり方をお伝えしていきます。

中学生・高校生とは違って、小学生――特に低学年のお子さんの不登校には、独特の背景があります。

次回からは中学生・高校生と綴っていきますが今回は小学生に特化したお話となりますので、まずは、今どれくらいの数のお子さんが不登校になっているのか、というところからお伝えします。

まだお読みでない方は、こちらの過去記事もあわせてどうぞ✨

不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜

親として不登校の子供と、どのように関わればいいのか?

小学生の不登校は、どれくらい増えているのか?

文部科学省が2025年10月に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小学校の不登校児童数は137,704人(前年度130,370人)で、こちらも過去最多を更新しています😵

増加率そのものは前年度より落ち着いてきていますが、それでも小学生の不登校は、もはや「珍しいこと」ではなく、どのご家庭にも起こりうる身近な出来事になっています。

低学年・中学年・高学年で、不登校の「顔つき」が変わる

小学生は発達段階に合わせて関わる
同じ小学生でも、年齢と発達、本人の状態によって支え方は変わります。

これは、実際にご相談をお受けしてきた中で、私自身も強く実感していることです。

同じ「学校に行けない」という状態でも、1年生のお子さんと6年生のお子さんとでは、お話をうかがう順番も、こちらの言葉の選び方もまったく違います。

低学年の子には、まず「安心できる大人がここにいる」ということを、言葉より先に態度で伝える必要がありますし、高学年の子には、こちらが評価者にならないよう、対等な立場で話を聞く姿勢がより重要になってきます。

「うちの子はどっちのタイプだろう」と最初から分類しようとしなくて大丈夫です。学年や様子を見ながら、少しずつ関わり方を微調整していくくらいの心づもりでいいと、私は考えています。

小学生の不登校は、学年によって、背景にあるものがかなり違います。

低学年(1〜2年生)――親から離れることそのものへの不安、いわゆる「母子分離不安」が関わっているケースが多いです。入学やクラス替えといった環境の変化に、まだうまく適応しきれていない状態とも言えます。

中学年(3〜4年生)――勉強のつまずきや、友人関係の悩みが表面化してくる時期です。

高学年(5〜6年生)――人間関係の複雑化や、無気力感、生活リズムの乱れが絡み合って出てくることが多くなります。

同じ「小学生の不登校」でも、低学年と高学年ではまったく別の対応が必要になる、ということを、まず知っておいてもらえたらと思います。

小学生の不登校で多い原因は「無気力・不安」と言われていますが・・・

私は長年不登校・引きこもりのご相談を専門にお受けしてきましたが、「無気力」という言葉だけで片づけられてしまったケースの中に、実は本人も気づいていない不安が隠れていた、ということが本当によくあります💦

たとえば、以前関わらせていただいた小学4年生のお子さんのケースでは、表面上は「ただ行きたくないだけ」に見えていたのですが、話を丁寧に聞いていくと、クラス替えで仲の良い友達と離れたことへの寂しさが、本人も言葉にできないまま「無気力」という形で表れていました。 こうした経験からも、私は「無気力・不安」という言葉を、そのまま受け取らないようにしています。

しかし文部科学省の調査では、小学生の不登校の主たる要因として最も多いのが「無気力、不安」で、全体の約半数を占めています。

私がカウンセラーとして日々感じているのは、この「無気力・不安」という言葉は、あくまで表面上の分類に過ぎない、ということです。「なぜ無気力になったのか」「何に対して不安なのか」は、一人ひとり違います。

だからこそ、以前の記事でもお伝えした通り、「原因を突き止めること」よりも「今、この子は何を感じているのか」に目を向けることが、結局は近道になるのではないかな?と思います。

小学生だからこそ気がつきたいこと

低学年のお子さんの場合、不安感から、赤ちゃん返りのような行動(スキンシップを強く求める、今までできていたことをやらなくなる、など)が見られることがあります。

ここで、「もう小学生なんだから」と突き放してしまうと、余計に不安が強まってしまったりもしますので、私は低学年の年代の一時的に「甘え」を受け止めてあげることは、過保護では無いかと思っています。

ただし、その受け止め方が、過干渉や、親子の距離感の逆転につながっていないかは、時々振り返って頂きたいとは思っています。 この境界線について、以前こちらの記事で詳しくお伝えしていますのでご確認ください😊

年代に応じた「責任の取らせ方」とは?〜小学生の具体例〜

「甘えは受け止めていい」とお伝えすると、今度は「じゃあ、何をどこまでさせればいいの?」という疑問が出てくると思います。

これは、以前の記事「不登校ひきこもり解決法:子供に責任をとらせる関わり方とは?」にも、実際にたくさんいただいたご質問です。

拙著『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』でもお伝えしているのですが、

「自分のことは自分でやらせる」「必要最低限のルールは守らせる」という責任の取らせ方の原則そのものは、小学生でも中学生でも高校生でも、何ら変わりません。

ただし、その具体的な中身(何を「自分のこと」とするか)は、年代によって変わってきます。

小学生の場合、たとえばこんなイメージです。

低学年(1〜2年生)の目安

  • 明日の学校の準備(持ち物・時間割)は、まず自分でやってみる
  • 自分の食器を、シンクまで運ぶ
  • 忘れ物をした時は、親が先回りして届けるのではなく、本人が困る経験も含めて経験させる

中学年(3〜4年生)の目安

  • 宿題や提出物の管理を、少しずつ本人に委ねていく
  • 自分の部屋やランドセルの中身の整理は、基本的に本人の担当にする
  • 友達とのトラブルも、すぐに親が介入せず、まず本人なりの言葉で説明させてみる

高学年(5〜6年生)の目安

  • 先生からの電話や連絡帳のやり取りに、少しずつ本人が関わる練習をする(最初は隣で一緒に、など段階を踏んでも大丈夫です)
  • 簡単な家事(洗濯物をたたむ、食器を洗うなど)を、家庭内での役割として持たせる
  • 「明日どうするか」を、親が決めるのではなく、本人に決めさせ、その結果も本人が引き受ける

中学生・高校生になると、ここからさらに、学校への欠席連絡を本人がする、先生と直接やり取りをする、生活費やお小遣いの範囲を自分でやりくりする、といったように、責任の範囲は少しずつ広がっていきます。

その具体的な段階の踏み方については、また中学生の回でも触れていく予定です。

「同級生が学校でしていること」は、家でも問うていい

もう一つ、責任の範囲を考える上で、私が親御さんによくお伝えしている目安があります。

それは、

「もし今、学校に通えていたら、同級生たちが当たり前のようにやっていること」は、不登校であっても、年齢が変わらない以上、家庭の中でも本人に問うていい

ということです。

たとえば、小学5年生の同級生たちは、学校で、自分の机や道具箱の整理をし、日直や係の当番をこなし、先生に自分から用件を伝えたりしています。

学校に行けていないからといって、こうした「その年齢なりにできて当然のこと」まで、家庭内で免除してしまう必要はありません。

もちろん、エネルギーが枯渇している時期(前々回の記事でお伝えした「まず休むことが必要な段階」)は例外です。

ですが、生活リズムが整い、ある程度エネルギーが戻ってきた段階であれば、「学校に行っていないから、家でも何もしなくていい」ではなく、「学校に行っていなくても、同じ年齢の子として、これくらいはできる(できるようになっていく)」という視点を、親御さんの中に持っていただきたいと思います。

これは、厳しくするという意味ではありません。

学校という枠の外にいても、お子さんが「自分の年齢なりの力」を失わずにいられるようにするための、一つの物差しだと思ってください。

本質は、やはり「自己受容」から

私自身も、10代の頃に不登校・引きこもりを経験していますが、当時、周りの大人たちが「早く学校に戻ってほしい」という焦りを隠しきれずに関わってくる時ほど、かえって心を閉ざしていったことを、今でもよく覚えています。

逆に、何も変えようとせず、ただそのままの自分を見てくれる大人がいた時は、少しずつ安心が育っていきましたしこれまで関わらせて頂いた多くのお子さんも同じでした。

このような自らの体験とカウンセラーとしての経験から、小学生の不登校に限らず、子どもの不登校や引きこもりで悩まれる親御さんに私が一貫してお伝えしているのは、まず親御さんご自身の「自己受容」から始めることの大切さと意味についてです。

拙著『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』でも書いているのですが、「自己受容」は「他者受容」と正比例します。

親自身が「不登校の子を持つ自分」をありのままに受け容れられていないと、子どものことも、心の底からは受け容れられません。

逆に、親御さんが自分自身を受け容れていくにつれて、不思議と子どもへの見方も変わっていきます。

自己受容と他者受容の関係については、こちらの記事でもう少し詳しく解説していますのでご覧になってみてください。

「Being」を強めるとは、具体的にどういうことか?

Beingが土台になると、Doingへ進みやすい
存在への安心を土台に、本人の小さな選択と行動を支えます。

もう一つ、同書でお伝えしている大事な考え方が「Being」です。

多くの人は、「学校に行けるようになったら(Have)、安心できる(Be)」というふうに、Do→Haveが先で、Beが最後にきています。でも、この順番のままだと、Have(学校に行く)が実現するまで、ずっと不安なままとなってしまいます。

ですからこのような場合にはまず、「Be(今の状態を、まず受け入れる)」→「Do」→「Have」という順番に切り替えてみましょう。
「学校に行っていない今の状態のままでも、私は大丈夫」というBeが先にあることで、かえって親子ともに、無理のない形でDo(次の一歩)に進みやすくなります。

「べきの枠」から一歩出てみる、という感覚です😊

声かけと関わり方は「タイプ」によっても変える

拙著『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』では、お子さんを「集団タイプ」「個人タイプ」に分けて、それぞれに合った声かけをお伝えしています。

集団の中で安心する子には、「みんなと同じでなくていい」という安心感を、個人で力を発揮するタイプの子には、比較されない環境そのものを用意してあげることが、それぞれ響きやすい傾向があります。

具体的な声かけの例(24のケース別)は、『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』の中で、四コマ漫画とあわせて紹介しています。 特にケース23の「子供が部屋にこもってしまった時」の対応などは、小学生のご相談でもよく参考にしていただいています。 小学生のお子さんの不登校で悩まれている場合には、ご覧になってみてください♪

学校以外の居場所やサポートを知ることも大切

小学生の場合、教育支援センター(適応指導教室)やスクールカウンセラーなど、家庭の外の力を早めに知っておくことも安心材料になります。フリースクールや児童相談所への相談も含め、具体的な窓口については、以前の記事でまとめていますので参考にしてください^^

生活リズムの乱れが気になる場合には、こちらの記事もあわせてどうぞ。

まとめ

  •  小学生の不登校は過去最多の137,704人。もはや珍しいことではない

  •  低学年・中学年・高学年で、原因の「顔つき」は変わる

  •  「無気力・不安」という分類の奥にあるものは、一人ひとり違う

  •  低学年の甘え(赤ちゃん返り)は、一時的には受け止めてあげていい

  •  責任の取らせ方の原則は年代で変わらないが、具体的な中身は年代で変わる
     
  •  同級生が学校でしていることは、年齢が変わらない以上、家庭でも問うていい

  •  解決の土台は、まず親御さん自身の「自己受容」から

  •  Be→Do→Haveの順番に切り替えると、無理のない一歩を踏み出しやすい

  •  声かけは、集団タイプ・個人タイプによっても変えてみる

小学生のうちに適切に関われた経験は、その後の親子関係の土台にもなります。
焦らず、まずはご自身を責めることをやめるところから、始めてみてください。

それでは今回もご覧くださりありがとうございます。

次回は、中学生の不登校の解決法についてお伝えしますので宜しくお願い致します♪

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今野 陽悦

【今野陽悦:不登校・ひきこもり専門カウンセラー】 自身の不登校・ひきこもり経験をもとに、20年以上にわたり本人・保護者からの相談に対応。これまでの相談実績は累計2万件以上。 著書に『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』などがあり、講演・メディア出演・学校関係者への支援も行っている。