どうも、カウンセラーの今野です😊

前回は小学生の不登校についてお伝えしてきましたが、今回は「中学生」に絞って、その傾向と解決法をお伝えしていきます。

中学生の不登校は、小学生とは違う難しさがあります。思春期という、心も身体も大きく変化する時期が重なるからです。まずは、今どれくらいの数の中学生が不登校になっているのか、というところから見ていきましょう。

まだお読みでない方は、こちらの過去記事もあわせてご覧ください♪

不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜
小学生の不登校の傾向と解決法とは?〜低学年・高学年で変わる原因と関わり方〜

中学生の不登校は、今どれくらいいるの?

文部科学省が2025年10月に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、中学校の不登校生徒数は216,266人で、在籍生徒全体の6.79%、実に約15人に1人にあたります。単純計算すると、1クラスに2〜3人は不登校の生徒がいる計算になります。

令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知):文部科学省

この数字を見て、「うちの子だけがおかしいのでは」と感じてしまう親御さんは多いのですが、データを見る限り、それはまったくの誤解だということが分かります。

中学生の不登校は、なぜ長引きやすいのか?

小学生と比べて、中学生の不登校は長期化しやすい傾向があります。
同調査でも、学年が上がるにつれて不登校の継続率が高くなることが示されています。

私は、この背景には、思春期特有の「自意識の強まり」の影響も強い場合が多く感じています。
小学生の頃は「今日は休みたい」で済んでいたことが、中学生になると「学校に行けない自分」そのものへの劣等感や恥ずかしさに変わっていきます。
私の場合は、「行きたくなくて行ってない自分」であればOKだけど「怖くて学校へ行けない」という自分のことは認められず、強烈な自己否定をしていた記憶があります。
思春期に入ると行けない理由よりも「行けない自分はどうなのか?」といった視点で自分を見て、自己否定などから苦しさのループへ入っているケースも少なくありません。

カウンセラーとしての立場から中学生のお子さんとお話をしていると、「別に学校が嫌いなわけじゃない。ただ、今更行けない」という言葉を、よく耳にします。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、思春期は「親からの自立と親への依存の間で揺れる時期」であり、この時期特有の心の揺れ(両価性)が、不登校をはじめとする様々な問題行動として表れやすいと解説されています。

思春期のこころの発達と問題行動の理解:e-ヘルスネット(厚生労働省)

中学生の不登校の主な原因とは?

同調査では、不登校の主たる要因として「学校生活に対してやる気が出ない」が最も多く、「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」が続いています。

ただし、以前の記事でもお伝えした通り、こうした分類はあくまで表面上のものです。

不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜

中学生の場合、特に多いと感じるのは、友人関係のこじれや、部活動での人間関係、そして「みんなと同じでいなければ」という同調圧力です。
思春期は、友人からどう見られるかが、自分の価値そのものと直結しやすい時期です。
 
ここに、学業のプレッシャーや、進路選択という現実的な不安も重なってきます。

先ほどのe-ヘルスネットの解説では、「中学生の不登校の理由として友人関係が大きなウェイトを占める」のは、思春期に親から自立していく過程で、仲間関係から安心感を得ようとする心理が強く働くためだと説明されています。

私自身も、中学2年生から学校に馴染めなくなっていきました

ここで、私自身の話も少しさせてください。

私は、思春期が始まった中学2年頃から、「学校へ行く意味」や「自分が生きることの意味」を考えるようになりました。

好きでもなく、将来役に立つとも思えない勉強を、なぜしなければならないのか?

なぜ髪を染めたりしたい事を主張したりすることが間違いだとされるのか?

そんな疑問を口にすると、先生や親からは、はぐらかされたり、否定されたりしましたし同級生とも、だんだん話が合わなくなっていきました。

「なぜ、自分の思いをただ聞いてもらうことすらできず、否定されるんだろう・・・」

当時の私は、そんなふうに毎日感じていたのを覚えています。

その後、カウンセラーとして多くのご相談に関わらせていただく中で、私は一つのことに気がつきました。

以前の記事でも書きましたが、日本人の多くは、周りとの調和を重んじる「集団主義」の気質を持っていますが、その中には少数派として、「個人主義」の気質を持って生まれてくる人もいる、ということです。

私自身は、生まれ持った気質としては少数派の「個人主義派」であり、思春期になると「自我」という形でこの気質の花が咲き始めました。

そんな中、周りに合わせることを強く求める集団主義的な日本の学校システムの中に身を置くことは私にとってはとても苦しいことであり、この枠組みに収まれなくて不登校になった側面も大きかったのだと、今は自己分析しています。

これは良い悪いの話ではなく、集団主義にも個人主義にも、それぞれの良さがあります。

日本は集団主義であるが故に他国と比べても同調圧力がすごいと言われますが、その反面世界的にも類を見ないほどの治安の良さが保たれているのも、医療制度等がしっかりしていたりするのも、集団主義であるが故の素晴らしさだと私は思います😊

個人主義・集団主義の気質については、拙著『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』や、こちらの記事でも詳しく触れていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください♪

【番外編】不登校の「真実」〜そもそも「学校」という仕組み自体が、時代に取り残されているという話〜

カウンセラーとして感じる、中学生特有の難しさ

これまで数多くの中学生のご相談を受けてきましたが、中学生ならではの難しさは、「本人が助けを求めることを、恥だと感じやすい」ところにあると感じています。

小学生であれば、まだ親に素直に甘えられるお子さんが多いのですが、中学生になると心の成長と共に、「弱っているところを見せたくない」「こんな自分ではダメだ」という自尊心が育ってきます。

お子さんにもよりますがその為に、本当は苦しいのにも関わらず、「別に大丈夫」と強がってしまったり苦しさをなかなか見せず、言わなくなってくる。
この強がりの奥にあるものを、どう見立てるかが、カウンセラーとして大切なポイントだと私は思っています。

先ほどお伝えした通り、私自身も、10代の頃、周りに心配をかけたくない一心で、本当の気持ちを隠していた時期がありました。
その経験があるからこそ、中学生の「大丈夫」を、鵜呑みにしない視点ももって関わることができています。

中学生への関わり方――「対等な立場」を意識する

思春期の不登校を一つの原因にしない
思春期特有の揺れを尊重し、本人の言葉を確かめます。

中学生への関わり方で、私が一貫してお伝えしているのは、親が「上から評価する立場」に立たないことです。

「勉強はどうするの」「将来はどうするの」という問いかけは、本人にとっては尋問のように感じられてしまうことがあります。代わりに、一人の人間として、対等な立場で気持ちを尋ねてみることをお勧めしています。

「今、どんな気持ちでいる?」
「無理に答えなくていいけど、聞いてもいい?」

この「無理に答えなくていい」という一言があるだけで、話しやすさはかなり変わってきます。

親御さん自身の在り方(Being)を整えることの大切さについては、拙著『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』でも詳しくお伝えしています。

親の状態が先、テクニックは後、という考え方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

親として不登校の子供と、どのように関わればいいのか?

そして、責任を取らせる具体的な関わり方や、私自身がどうやってその状態から抜け出せたのかについては、こちらの記事に詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

【体験談】私自身の不登校・引きこもり時代と、そこから見えてきた「責任」という関わり方

年代に応じた「責任の取らせ方」とは?〜中学生の具体例〜

中学生へ責任を渡す時の3段階
大人が安全な枠を支え、本人へ小さな選択を返して振り返ります。

以前の記事「小学生の不登校の傾向と解決法とは?」でもお伝えした通り、「自分のことは自分でやらせる」「必要最低限のルールは守らせる」という責任の取らせ方の原則は、年代が変わっても同じです。ただ、その具体的な中身は年代によって変わってきます。

中学生の場合、あくまで事例ちはなりますが、たとえばこんなイメージです。

中学1年生の目安
・時間割や持ち物の準備は、完全に本人に任せる
・提出物の期限管理を、本人の担当にする
・友人関係の小さなトラブルは、まず本人の言葉で説明させてみる

中学2年生の目安
・学校からの電話や連絡帳のやり取りに、本人が主体的に関わる
・部活動の準備や連絡は、基本的に本人に任せる
・お小遣いの範囲でのやりくりを、本人に委ねる

中学3年生の目安
・進路について、まず本人なりの考えを聞き、親の意見は後から伝える
・先生との面談や連絡は、本人が中心になって行う
・生活リズムの管理(起床・学習時間など)を、本人の判断に委ねていく

小学生の記事でもお伝えした通り、「もし今、学校に通えていたら、同級生たちが当たり前のようにやっていること」は、不登校であっても、年齢が変わらない以上、家庭の中でも本人に問うていい、という視点も、中学生の場合まったく同じです。
エネルギーが枯渇している時期は例外ですが、生活リズムが整ってきた段階であれば、「学校に行っていなくても、同じ年齢の子として、これくらいはできる」という物差しを、親御さんの中に持っておいてもらえたらと思います。

声かけの具体例と、避けたい言葉

拙著『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』でもお伝えしていますが、思春期のお子さんには、特に「比較」を含んだ言葉を避けることをお勧めしています。

「お兄ちゃんは行けていたのに」「〇〇ちゃんは頑張っているのに」――こうした言葉は、良かれと思って発破をかけるつもりでも、多くの場合、劣等感を強めるだけに働いてしまいます。私自身、実際のご相談で、こうした一言がきっかけで親子関係がこじれてしまったケースを何度も見てきました。

ここでもう少し、具体的な場面別の声かけをご紹介します。

朝、起きてこない時
避けたい:「いつまで寝てるの!」「またサボるの?」
おすすめ:「起きてる? 朝ごはん置いておくね」(起きること自体を問わない)

「学校どうするの?」と聞きたくなった時
避けたい:「今日は行くの?行かないの?」(決断を迫る)
おすすめ:「今日は、どんな気分?」(気持ちを聞く)

本人が「別に」しか答えない時
避けたい:「ちゃんと話してよ」(答え方を否定する)
おすすめ:「そっか。今は話したくない気分なんだね」(答え方ごと受け止める)

成績や進路の話になった時
避けたい:「このままで将来どうするの」(不安を子どもにぶつける)
おすすめ:「今、将来のことで気になってることある?」(本人の考えを先に聞く)

友人関係で悩んでいる様子の時
避けたい:「あなたにも原因があるんじゃない?」(責める)
おすすめ:「それはしんどかったね。話してくれてありがとう」(まず受け止める)

共通しているのは、「正しいことを言う」よりも、「今のこの子の気持ちに、まず寄り添う」という順番を大切にすることです。正論は、気持ちが受け止められた後で、初めて届くようになります。

まとめ

  •  中学生の不登校は216,266人、約15人に1人という規模になっている

  •  中学生は「行けない自分」への自意識の強まりから、長期化しやすい

  •  思春期は「親からの自立と依存の間で揺れる時期」であり、友人関係の影響が特に大きい

  •  「大丈夫」という強がりの奥にある気持ちに、目を向ける

  •  関わり方は、評価者ではなく対等な立場を意識する

  •  責任の取らせ方の原則は年代で変わらないが、中学生では提出物・部活・進路など中身が広がる

  •  声かけは、正論より先に「今の気持ち」を受け止める

  •  比較を含む言葉は、劣等感を強めやすいので避けるように心がける


中学生の不登校は、思春期という発達段階そのものと切り離せませんが同時に、〜が正しいというものがあるわけでもありません。

焦らず、本人のペースに寄り添う関わり方を、自己受容を深められながら進める事をお勧めします。

それでは今回もご覧くださりありがとうございます😊

次回は、高校生の不登校の解決法についてお伝えしますので宜しくお願い致します♪

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今野 陽悦

【今野陽悦:不登校・ひきこもり専門カウンセラー】 自身の不登校・ひきこもり経験をもとに、20年以上にわたり本人・保護者からの相談に対応。これまでの相談実績は累計2万件以上。 著書に『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』などがあり、講演・メディア出演・学校関係者への支援も行っている。