どうも、カウンセラーの今野です😊
今回は、「高校生」の不登校について、その傾向と解決法をお伝えしていきます。
高校生の不登校は、小学生・中学生とはまた違った特徴を持っています。義務教育ではない事、進路選択が目の前に迫っている事、そして単位や出席日数という現実的な制約がある事です。まずは現状のデータから見ていきましょう。
まだお読みでない方は、こちらの過去記事もあわせてどうぞ。
▼不登校の原因とは?〜具体的な解決法をお伝えします〜
▼小学生の不登校の傾向と解決法とは?〜低学年・高学年で変わる原因と関わり方〜
▼中学生の不登校の傾向と解決法とは?〜思春期特有の心の動きと関わり方〜
高校生の不登校は、今どれくらいいるのか?
文部科学省が2025年10月に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、高校の不登校生徒数は67,782人。前年度からわずかに減少しており、生徒1,000人当たりでは23.3人という水準です。
令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知):文部科学省
小・中学校が12年連続で増加している一方、高校はここ数年、増加に一定の歯止めがかかっています。この背景には、通信制高校や単位制高校といった多様な学びの選択肢が広がってきた事も関係していると私は見ています。
実際、文部科学省の学校基本調査(速報値)によると、2025年度の通信制高校の生徒数は30万5,221人。10年連続で過去最多を更新し、高校生の約10人に1人が通信制高校に通う時代になりました。
高校生の不登校が抱える、特有のプレッシャー
高校生の不登校で、私が特に重く見ているのは「出席日数」と「単位」という、待ってくれない現実的な制約です。
義務教育である小・中学校と違い、高校では出席日数が足りなければ進級・卒業ができません。「休んでいる間にもタイムリミットが迫ってくる」という感覚は、本人にも親御さんにも、強いプレッシャーとしてのしかかります。そしてこのプレッシャーが「早く戻らなければ」という焦りを生み、かえって回復を遅らせてしまう。そんな場面を、私はこれまで何度も見てきました。
高校生の不登校の主な原因とは?
高校生の場合、中学生までと比べて、進路や将来への不安が不登校の背景により色濃く関わってくる印象があります。「この高校で本当に良かったのか」という入学後のミスマッチ感、大学受験や就職を見据えたプレッシャー、そして対人関係の悩み。これらが複合的に絡み合っている事が多いです。
原因を一つに特定しようとするより「今、何に一番苦しんでいるか」を丁寧に聞いていく事が大切、というのは以前の記事でもお伝えした通りです。
私自身も、「もう遅い」と感じていた高校生でした
実は、この「もう遅い」という感覚、私自身も痛いほど覚えがあります。
前回の記事でもお伝えした通り、私は中学2年頃から学校という仕組みに馴染めなくなり、高校もすぐに行かなくなってしまいました。当時、同世代が当たり前のように毎日学校に通い、部活や受験の話をしているのを横目に、「もう自分の人生はここで終わってしまったんだ」という感覚に、私はすっかり飲み込まれていました。
普通のレールから外れてしまったという焦りと孤独感。そして「今さら頑張ったところで、もう間に合わない」という強い思い込み。当時の私は、その思い込みを事実だと信じきっていたんです。
ただ、今こうしてカウンセラーとして20年以上、多くのご家庭に関わらせて頂けているという事実そのものが、あの時の「もう遅い」が単なる思い込みに過ぎなかった事の、何よりの証明だと思っています。
当時の状態やそこからの経緯は、こちらの記事にも綴っていますので、良かったら覗いてみてください。
【体験談】私自身の不登校・引きこもり時代と、そこから見えてきた「責任」という関わり方
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カウンセラーとして感じる、高校生特有の難しさ
高校生のご相談で私が特に感じるのは、本人がすでに「もう遅い」と、自分で自分の可能性を閉じてしまっているケースの多さです。「今から頑張ってもみんなに追いつけない」「もう普通のルートには戻れない」――こうした思い込みは、実際には事実ではない事がほとんどです。全日制高校だけが正規のルートではありませんし、通信制高校やその後の進学ルートも、今は十分に確立されています。
面白い(というか、ちょっと切ない)事に、これまでのカウンセリングでは、高校生本人よりも先に、親御さんの方が「もう間に合わない」という焦りに支配されてしまっているケースを数多く見てきました。まず親御さんが「今からでも、いくらでも道はある」という前提に立ち直る事が、結果的に本人の焦りを和らげる事につながります。
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高校生への関わり方――「決めさせる」より「一緒に考える」
高校生になると、本人の意思や選択を、より尊重する関わり方が必要になってきます。ただし「どうしたいの?」と、いきなり大きな決断を迫るような聞き方は、かえって本人を追い詰めてしまう事があります。
私がお勧めしているのは、選択肢をこちらである程度示した上で、「今の学校を続ける道、環境を変える道、いろいろあると思うけど、今はどのあたりが気になってる?」というふうに、一緒に考える姿勢で問いかける事です。
親御さん自身のBeing(在り方)を整える重要性については、拙著『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』でも触れていますので、興味があればどうぞ。
年代に応じた「責任の取らせ方」とは?〜高校生の具体例〜
「自分の事は自分でやらせる」「必要最低限のルールは守らせる」という責任の取らせ方の原則は、これまでの記事でもお伝えしてきた通り、年代が変わっても同じです。高校生の場合、その中身はさらに広がっていきます。
学校への欠席連絡や、担任・進路指導の先生とのやり取りは、本人が主体的に行うようにしましょう。出席日数や単位の状況も、本人自身に確認・管理させます。アルバイトをしているなら、それを通じて時間やお金に対する責任を経験してもらうのも良いでしょう。
通信制への転編入や高卒認定試験といった進路の情報収集も、まず本人に調べさせ、親はその後で一緒に確認する、くらいの距離感がちょうど良いと思います。
お小遣いや生活費の一部についても、少しずつ本人が担う範囲を広げていってください。
「もし今、学校に通えていたら、同級生たちが当たり前のようにやっている事」を、年齢が変わらない以上は家庭でも問うていい、という視点はこれまでの記事でも繰り返しお伝えしてきましたが、高校生でも同じです。
エネルギーが回復してきた段階であれば、少しずつこうした「自分の年齢なりの責任」を担う機会を作るよう意識されてください。
進路の選択肢を、親も知っておく
「学校に戻る」以外にも、高校生には多くの選択肢があります。通信制高校・単位制高校への転編入、校内の教育支援センター(スペシャルサポートルームなど)、そして高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)です。
高卒認定試験は、高等学校を卒業していない方に対し、高等学校卒業者と同等以上の学力があるかを認定する、文部科学省が実施する国の試験です。合格すれば、大学・短大・専門学校の受験資格を得る事ができます。
私自身も現在の高卒認定と同じ立ち位置にある、当時の大検(大学入学資格検定)を取得しました。
(余談ですが、事前情報では難しいと聞いており戦々恐々としたのですが、調べると実際は中3〜高1程度の学力で100点満点中40点前後とれば受かると知り安心すると共に、数学と英語以外はほとんど勉強せずに受かることが出来ました✨)
こうした選択肢を、本人が動き出す前に、まず親御さんが知っておく事をお勧めしています。
いざという時に「こういう道もあるよ」と焦らず伝えられるかどうかは、事前の情報量で大きく変わってくるからです。
声かけの具体例と、避けたい言葉
「もう遅い」と本人が漏らした時、「そんな事ないよ、大丈夫」と安易に励ましたくなりますが、それよりも「そう感じてるんだね。今、そう思うくらい、しんどいんだね」と、まず気持ちを受け止めてあげてください。
単位や出席日数の話になった時も、「もう単位やばいんじゃないの?」と不安を煽るのではなく、「今の状況、一緒に確認してみようか」と、一緒に把握する姿勢を見せる方が、本人も話しやすくなります。
進路の話で「みんなもう決めてるのに」という比較の言葉は、追い詰めるだけです。代わりに「今、気になってる道とかある?」と、本人の考えを先に聞いてみてください。
アルバイトをしたいと言われた時、「勉強もしないでバイトなんて」と頭ごなしに否定するのではなく、「どんな仕事に興味あるの?」と、自立への一歩として受け止めつように意識していきましょう。
将来の話で不安そうにしている時も、「このままじゃ社会に出て困るよ」という脅しに近い言葉ではなく、「今の道じゃなくても、他にもいろんな道があるよ」と、選択肢の存在を伝えてあげられたらベストではないかな?と思います。
高校生は頭では色々分かっている事が多い分、感情に寄り添う声かけの方が、正論よりもずっと届きやすくなります。
声かけの具体的なコツは、拙著『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』でもケース別にお伝えしています😊
まとめ
高校生の不登校は67,782人。
ここ数年は微減傾向にありますが、出席日数や単位という現実的な制約が、本人にも親にも強いプレッシャーを与え続けています。進路や将来への不安が原因として色濃く関わりやすいのもこの年代の特徴です。
「もう遅い」という思い込みは、まず親御さんが手放すように心がけましょう♪
責任の取らせ方は、欠席連絡・単位管理・アルバイト・進路の情報収集といった形で、本人が担う範囲を少しずつ広げていくとよおろしいかと思います。
そして声かけは、正論より先に「今の気持ち」を受け止め、選択肢は「決めさせる」のではなく「一緒に考える」姿勢で示していいうことを意識して頂けたらと思います。
高校生の不登校は、進路という現実的な時間軸があるからこそ、余計に焦りが生まれやすいテーマです。
ですが、道は一つではありませんので、焦らず、一緒に選択肢を下がるように心がけられてみてください。
それでは今回もご覧くださりありがとうございます😊
次回は前年代に共通する、不登校の前兆・サインと回復するまでの考え方をお伝えしますのでご期待ください✨
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今野 陽悦
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